北上川の概要

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                                                                   北上川(宮城県・登米)

 名称・北上川の由来
 北上川の名が最初に見られる文献は鎌倉時代の『吾妻鏡』。もっと以前には「日高見川」といわれていたと考えられている。日高見はいまの北上平野を指すといわれ、日高見川は、日高見の国を流れる川というわけだ。日高見川から北上川に変わる過程はまだ明らかになっていない。

 北上川の大きさ
 北上川は、東北で最も大きな川である。流域(降った雨が川に集まってくる区域)面積は1万150平方キロ、源泉から追波湾までの距離は249キロ。面積は利根川、石狩川、信濃川についで第4位。長さは、信濃川、利根川、石狩川、天塩川についで第5位。ちなみに、北上川の流域面積はおよそ国土の38分の 1。 世界一の大河・アマゾン川から見れば、長さほ25分の1以下、面積は700分の1となる。

 水 源
 
 源泉には諸説あるが、岩手県岩手町御堂にある「弓弭(ゆはず)の泉」とする説が一般的である。そこから岩手県の中央を南下して宮城県に入り、津山町で分流し、一方は追波湾に、もう一方は江合川と迫川を合わせて石巻湾へ注ぐ。追波湾に注ぐ方を北上川本川、石巻湾に注ぐ方を旧北上川と呼ぶ。北上川のように北から南へ流れる川は、全国でも珍しい。(左写真 弓弭の泉)

 地 形
 北上川を空から見ると、その流域は南北に長く、東西に狭く、不規則な長方形をしている。北上山地と奥羽山脈の間を流れているため、それぞれの山地からいくつもの支立川が本川に流れ込み、その数は大小合わせて200以上。一般に、勾配がきつく、平野部を流れる本川に注ぐ辺りで扇状地を作っでいる場合が多い。
 大小の支川が本川に注ぐ姿を地図で見ると、ちょうど烏の羽根のように見え、このような支川の配置は「羽状タイプ」と呼ばれている。